[2001.09.26]
  暗号のない社会にない社会


 ▼「PGP開発に悔いなし」〜テロ事件を受けてZimmermann氏が声明を発表(Impress INTERNET Watch)
  http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2001/0925/zimmer.htm


 30年間一緒に暮らしても,相手をわかることなど不可能なのだ,人は人をわかった気になっているだけ。本当にわかるほど人は簡単じゃない。人自体,暗号化されているようなものなのに,社会の暗号をなくしても,なにも変わらない。そしてそれは,人自体を否定するような動きでもある。

 暗号ソフト「PGP(プリティー・グッド・プライバシー)」の開発者であるフィル・ジマーマンが,米国同時テロでテロリストがPGPを利用していたかもしれないことについて,「開発したことを悔やんではいない」と声明を出した。ジマーマンは,PGPにバックドアをつけるような動きを否定し,PGPにそのようなことはしないと請け負っている。

 米国同時テロ(過去記事)後,いわゆる暗号に規制を加えるような動きがある。つまり解読できない暗号は禁止しようというものだ。米国議員にあがっている声で,これとは別に米国ではネットワーク監視システムであるカーニボーの使用が拡大される法案が成立している(WIRED NEWSの記事)。

 だが,暗号ツールがなくなったとしても,それでテロリストの動きを止めることなどできはしない。誰も,掲示板にスレッドをたてた人がバスジャックをするとは思わないし(過去記事),人を殴り殺すとも思わない。なんてことはないサイトの管理者が,どんな凶悪犯罪を引き起こすか,誰もわからないのだ。ツールがなくても乱数や符号を使い,犯罪者は情報のやり取りを行う。スパムメールなどで行われているように,発信元にスクランブルをかける方法も,いくらでもある。暗号規制など,結局はなんの役にも立たない対策で,それはこれからの,例えば電子商取引サイトの構築や,無線ネットワークの通信暗号化の強化などにも影響を及ぼしかねない。一時的な感情で,行われる所作ではない。


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